官殺混雑去留の法
四柱命式で正官と偏官が同時に出ている命式を官殺混雑している命式といいます。
そのときに注意することは、年柱上下に出た官殺は官殺混雑の対象とはなりません。
たとえば月支に正官が出た正官格で、年上または年支に偏官をみても、官殺混雑格とはならず、やや正官格が濁る程度とみるわけです。
官殺混雑となる命式は、男性は職業の変更、女性では異性縁が変わりやすいという好ましくない暗示がありますので、四柱推命学ではわざわざ「官殺混雑去留の法」に適うか適わないかを云々することが多いです。
では、官殺混雑去留の法に適う命式とはどのような命式なのかをみてみましょう。
(1) しっかりした食神をみる → 偏官を去る
(2) しっかりした傷官をみる → 正官を去る
(3) 偏官か正官のどちらかが干合で去る
のいずれかひとつに適う命式をいいます。
つまり、偏官か正官のどちらか一方が去って、片方が留まる(残る)命式のことです。
官殺混雑去留の法に適えば、〝清命〟になります。
格が濁ることはなくなるからです。
でも、気を付けなければならないのは、〝清命〟≠〝吉命〟(清命イコール吉命ではない)ということです。
たとえば月支に正官、日支に偏官が出て、時支にしっかりした食神をみるような命式ですが、日支の偏官は食神より制剋を受け、偏官は去って月支の正官が留まることになります。
「官殺混雑でなくなってよかった・・・、ひと安心・・・」というのは考えが甘いといいますか、去る側の代償の大きさを知らないからいえることです。
日支はわが配偶者の宮です。
そこは、女性の命式では夫の性質性格や自分に対しての影響の良し悪しをみるとともに、夫の〝安否〟もみるところでもあります。
月支とともに日支は健康健全であること、つまり〝安泰〟であることが良い命式の条件のひとつです。
その日支が偏官によって剋を受けて、著しく傷んで弱っている状態はわが配偶者の身辺が安泰ではないということです。
夫の健康面などに異変のことが起きるおそれがあるという忌むべき状態となるわけです。
ですから、一概に官殺混雑去留の法に適ったから清命になって、幸せな家庭生活を約束されるとはいえないわけです。
女性の命式で、月支と日支で官殺混雑格となった場合は、官殺混雑去留の法に適うか否かを問わず、異性縁や結婚生活にはハンディを伴うことを覚悟する必要があります。