傷官破れ尽くす格


 傷官破れ尽くす格についてブログにて述べてほしいというご希望がありましたので、以下、ご参考になさって下さい。


 大乗推命学会のテキストで傷官破れ尽くす格について、次のような記載があります。


(1) 身旺の傷官格でその他のポジションにも傷官が複数個あり、その傷官がある
  ことによって命式によい影響を及ぼしている格式。これを傷官破れ尽くす格では
  これを第一級とする。


(2) 傷官格で日干のエネルギーは多少弱く、傷官が複数個あって、その傷官がある
  ことによって命式によい影響を及ぼしている格式。これを第二級の傷官破れ尽くす
  格という。


(3) 日干のエネルギーがはなはだ弱い傷官格で、他のポジションに傷官が太過してあ
  り、命式の内容が一見して傷官の洩気がはなはだしい格式。これを傷官破れ尽くす
  格の第三級とする。

 ※いずれの場合も官殺がひとつもないことが条件で、財星はせいぜい二個までを
  限度とする。



 傷官破れ尽くす格は数ある傷官格の中でも特異な格式で、秀気の発露は異常で、必ず学・技・芸のいずれか、もしくはそれらの全部について越群の才能があり、いずれの世界に身を置いても、必ず一方の雄として盛名を馳せ、一代で富貴双顕に至る人とされています。


 この命式は日干のエネルギ−が弱くてはその任に堪えられず、正官があれば自らの名誉や権威を大きく破って、富貴は一片の浮き雲でしかなく、多情多恨・不具不完、人生はまさに一場の夢に化してしまいます。


 とテキストにありますが、以下補足説明致します。


 傷官破れ尽くす格といわれるには、まず「真の傷官格」でなければならないということです。
 真の傷官格とは、子、午、卯、酉の四正の星から出た退気生まれの傷官格を第一等とします。たとえば、日干が庚で月支が子でその蔵干が癸のような場合です。


 次に、寅、申、巳、亥の四長生の星から出た本気蔵干で退気生まれの傷官格を第二等とします。たとえば、日干が癸で月支が寅で本気蔵干甲が出た場合です。


 残念ながら、生月が四墓の星(辰、戌、丑、未)は真の傷官格とはなりません。


 傷官破れ尽くす格のその次の条件としては、日支か時支にしっかりした印綬もしくは偏印が出ることもほぼ必須とみていいでしょう。
 傷官の勢いが強いとどうしても身弱に傾きますので、印綬もしくは偏印による日干の生扶が不可欠だからです。


 そして、十二運の根も月、日、時に長生、冠帯、建禄、帝旺の四旺の星が最低ひとつはなければなりません。
 もちろん、月、日、時に刑冲や空亡があれば、傷官破れ尽くす格成格の命とはなれないことはいうまでもないことです。


 最後に、傷官破れ尽くす格は貴命には違いありませんが、女性では著しく夫縁には不利で、男を男とは見ないような性情が災いすることもあり、吉命かと問われると首を傾げざるを得ません。
 男女とも学技芸の分野では相当の開運力を秘めた命式になりますが、対人関係には要注意な命式です。