四柱命式看命の手順


 四柱命式看命の手順ですが、流派によって若干違う点があるかと思います。
 ここでは大乗推命学会の命式看命手順をご紹介致します。


(1) 当然ですが、まず正確な命式を作成する。


(2) 刑冲会合、空亡を子細に調べる。


(3) 日干の強さを求める。


(4) 何格かを判定する。
  ほとんどの命式は月支に出た通変星で格(用神)を定めるが、月支に比肩、劫財
  が出た場合は一定の手順(※)にしたがって格を定める。
  ※一定の手順につきましては、eラーニング四柱推命入門講座をご参照下さい。


(5) 用神の強さを求める。
  但し、破格している場合はあえてその必要はなし。


(6) 体と用のバランスを考慮して、喜忌救仇を子細に調べる。


(7) 格付けをする。
  一般には5段階に分類(正命、随命の上、随命の中、随命の下、遭命)。


(8) 大運での喜忌救仇の旺弱、盛衰と刑冲会合を調べる。


(9) 歳運は大運の状態を前提として歳運通変星の喜忌救仇を中心に、他は日支、
  時支、そして大運運支との刑冲会合を重点的に調べる。



 だいたい以上のような手順ですが、注意していただきたいのは大乗推命学会は強旺格、一行気得格、棄命格のような外格は採用しません。


 その理由ですが、外格は命式全体を体神とし、用神は後天運でとるのが原則で、いかに原命式で成格の理に適っていましても、後天運でこれら旺神に逆らう運がきましたら、一点破格の運に準じる扱いになりますので、体と用の中和均衡を尊ぶ現代看法では外格を特別扱いしないのです。


 したがいまして、いかに厳しい条件に合格した外格でも、貴命であるとか好命吉格であると看命するのはどうかと思います。


 現代社会をみましても、主要先進国と呼ばれる国々は地球環境的にほぼ温帯地域に属し、四季の気候の変化が明瞭な地域に位置します。
 春夏秋冬の季節の移り変わりがあるのは、五行にたとえれば五行がある一行に偏らず、周流(日干を中心に均等して五行がある状態)している状態によく似ています。


 人間も一個の小天地とする東洋思想の原点からすると、五行が周流している命式を最上とし、また吉命とするのは自然の理に適ったことになります。


 また、わたくしたち人間の性格も、右にも片寄らず左にも片寄り過ぎることのない、中庸の精神が最も好ましい人物とされ、そのような人物にして衆望を集め、集団の棟梁となる資格を有することからしても、人間の精神構造の基本的因子を表す五行が一行に偏旺することは、決して美なり吉なりとしないのはご理解いただけると思います。


 これらの理由により、大乗推命学会では外格を特別扱いすることはよしとしない方針というより一切採用していません。 


 ただ、特殊な五行の状態で、外格に属している格式があります。
 それは両神成象格(りょうじんせいしょうかく)といわれるもので、日干の五行が4個と日干以外の同一五行(日干を生じる五行を除く)が4個あり、4対4の力の均衡がとれているものです。
 この場合は、命式の内容にもよりますが、内格として扱ってみても場合によっては体と用の均衡がとれて正命になるものもありますので、先に掲げた強旺格、一行気得格、棄命格とは一線を画します。


 以上、外格につきまして少しややこしい説明になりましたが、まず一生のうちに生時まで判明した人で、そう何人も正確に条件に適った外格の命式にお目にかかることはありません。

 ですから、外格の看法に気を取られるより、その他大多数の内格の命式の看命に注力するのが効率のよい勉強といえます。


 そしてもうひとつ、調候用神看法がありますが、これも当会はあまり取りあげていませんが、これは決して無視しているわけではなく、体用のバランスを最優先する考えに立てば、当然調候用神看法が自動的に入ってくることになります。


 以上、申し上げました四柱命式看命の手順を正しく守っていただくと、間違いのない看命鑑定ができるものと思います。原命式の分析がきちんとできていないのに後天運の良し悪しは論じることは不可能です。


 ただ、四柱推命の教授、鑑定をしているわたくしが申し上げるのもなんですが、後天運看法は紫微斗数のほうが簡単でかつ詳しくみることができるように思います。