印綬格看命の要諦
印綬は天与の福徳を意味する極めて有徳の因子です。
すなわち上祖の陰庇や父母の援助、もしくは目上・上長の引き立てや後援を意味し、宗教面からしますと、神明の加護をも司るとされるほど有為なはたらきを授けてくれるからです。
しかしこうしたはたらきが期待できるのは、しっかりしたよい印綬格の場合で、印綬が孤立する孤印の命や、印星が太過する偏旺の命式は何ら印綬の良能は発揮されることはなく、逆に前者は福分が薄く労苦の多い人生となり、後者は肉親縁に薄い孤独薄幸の人生となる傾向があります。
では、印綬格でよい命式となる条件はといえば、
(1) 月日に刑冲がない。
(2) 印綬が空亡や干合していない。
(3) 正財をみない。
(4) 印綬が健旺である。
つまり、印綬が透干または透出して強いか、あるいは官殺いずれか
ひとつをみて生扶され強いか、印綬が三合、方合して局を成して強い。
のいずれかを要す。
(5) 上記に適って、あとは命式の他のポジションに比劫や食傷、偏財を均等
にみて、印星が太過しないことが条件。
つまり、印綬格は日干の身旺、身弱はさして問わないので、印綬さえしっかりして強ければ、それでよい命式となります。
なぜ身弱でも差し支えないのかといえば、印綬が強ければ自動的に印綬は日干を生じ扶けますので、天与の福徳の星である印綬の恩恵によりわれは処世を為すことができるとするのです。
余談ですが、男性は正財が正妻の星、その正財を印綬はもっとも恐れ嫌います。正妻からみれば、この印綬は姑となります。
そして、劫財は夫の姉妹となり、正妻からみれば小姑となります。
劫財は印綬の救神で、小姑が正妻に対抗する構図はとても現実的です。
通変星の象意はまさに人事の妙を言い得ています。
印綬格に限らず、あらゆる格式で印綬はひとつはほしい星であり、とくに身弱の命は、砂漠のオアシスのように生命の活力の源となる有徳の因子となります。