洩気過大(えいきかだい)


 前回のブログで過生扶(生扶過大)について学んでいただきました。
 少し復習になりますが、木火土金水の五行での過生扶は、四柱推命では次のようにいいます。


・「木多くして火消える」
・「火多くして土焦げる」
・「土多くして金埋もれる」
・「金多くして水濁る」
・「水多くして木が漂流するか、根が腐る」


 自然現象を想像していただくとだいたい意味はお分かりかと思います。

 
 では、今回は過生扶とはまったく逆の作用である、「洩気過大」についてお話させていただきます。


 相生の関係は、生じ生じられる関係であり、エネルギーを与え与えられる関係であります。与えるといえば聞こえのよい言葉ですが、それが極端な場合だと大変なことになります。


 たとえば、命式内に正官が一個あり(偏官はないものとする)、偏印や印綬の印星が五個も出ているような命式を考えて下さい。

 正官は印星を生じますが、生じる相手(この場合は印星)があまりにも個数が多いと、正官のエネルギーは大幅に印星に奪われる結果になります。


 正官が一個で印星が五個は極端な場合ですが、いずれの通変星でも一対三以上ですと、生じるほうは極端にエネルギーを消耗することになります。


 この理を四柱推命では洩気過大といってその作用を重要視します。


 上記の正官が一個、印星が五個の例では、女性の場合だと正官は夫の星です。
 配偶者の星が著しくエネルギーを奪われている状態というのは、健康状態を含めた夫の身辺に異変ありとして、四柱推命看命上、女性の命式では忌むべき内容となります。
 この場合は財星がないようですと、かなりの確率で寡婦の命となる公算が強いです。


 江戸時代の川柳に、「奥の間で毒が薬を煎じてる」というまことに恐ろしい川柳があります。
 これはどういうことかといいますと、楚々とした一見貞淑な婦人が旦那さんのためを思って作っている薬が、実は主人の命を縮める毒になっていたという恐ろしい川柳です。
 印星太過の女性の夫婦縁に関する警告の川柳だと思っています。


 以下、通変星別に洩気過大の人事事相をみてみますと、


(1)比劫太過で印星が洩気過大になる場合
 男女→親縁薄いか親の運勢運命が衰える(親不幸の命)。


(2)食傷太過で比劫が洩気過大になる場合
 男女→兄弟縁薄いか兄弟の運命運勢が衰える。


(3)財星太過で食傷が洩気過大になる場合
 男→特になし。
 女→子女(子供)縁薄いか、子女の健康状態や開運発達力に問題あり。


(4)官殺太過で財星が洩気過大になる場合
 男→妻縁薄いか妻の健康状態に問題あり。
 女→特になし。


(5)印星太過で官殺が洩気過大になる場合
 男→子女縁薄いか、子女の健康状態や開運発達力に問題あり。
 女→夫縁薄いか、夫の健康状態や開運発達力に問題あり。


というようなことが想定されます。


 洩気過大は人事事相で特に良くないはたらきをしますので、子細に見ていく必要があります。