過生扶(反生の理)


 前々回のブログで、いかなる通変星も一個で強いのが良い命式の条件であることを学んでいただきました。

 ですから、ある通変星が三個以上もあると、その通変星から生扶される(生じられる)通変星は大変なエネルギーを与えられることになります。


 分かりやすくいいますと、たとえば女性の命式で偏財、正財の財星が四個出ているとします。
 財星は正官、偏官の官殺を生じますので、命式内にその官殺が財星と同数あれば問題ないのですが、仮に一個しかないとすれば、財星が四個、官殺が一個で、四対一の力関係です。


 命式のポジションにもよりますが、まず四対一の力関係では、一個の官殺は生じられ過ぎて、とても財星の旺盛なエネルギーを受け止めることはできません。
 このような状態になっているのを官殺が過生扶(生扶過大)といい、反生の理がはたらいているといいます。


 人事事相でこれをどのようにみるかといいますと、妻の愛情や内助も度が過ぎれば(財星太過)、かえって夫の開運発達を閉ざすことになるだけでなく、運の次第では、夫への不平不満が高じて別居や離別の可能性もあるとみます。
 これを四柱推命で、「愛してかえって憎む象」といいます。


 以下に、男性、女性別に過生扶で人事事相に現れる傾向について箇条書きします。


①比劫太過で食傷が過生扶になる場合
 男→特になし。
 女→子女(子供)の開運発達力を妨げる。


②食傷太過で財星が過生扶になる場合
 男→妻の健康上に不利。
 女→特になし。


③財星太過で官殺が過生扶になる場合
 男→子女(子供)の開運発達力を妨げる。
 女→夫の開運発達力を閉ざす。


④官殺太過で印星が過生扶になる場合
 男女→親の運勢運命を妨げる(親不孝の命)。


⑤印星太過で日干や比劫が過生扶になる場合
 男女→自分自身が偏旺となり、消化器系等の内蔵疾患に注意。
     また兄弟姉妹の運勢運命を妨げる。


 以上、過生扶になっている通変星があるかないかを調べるのは命式看命上、重要なことです。