いずれの通変星も一個で強いのが良い命式


 今回より何回かにわたって、四柱推命看命の秘訣(というほど大袈裟なものではありませんが)をお話したいと思います。
 四柱推命愛好家のみなさまは、ご参考にしていただければと思います。


 まずはじめに、「いずれの通変星も一個で強いのが良い命式」の条件のひとつです。


 通変星は、ご存知の方も多いと思いますが、比肩、劫財、食神、傷官、偏財、正財、偏官、正官、偏印、印綬と十個あります。

 四柱命式は、生時が明確であれば、日干以外の七箇所にこれらのいずれかの通変星が出てきます。


 では一個あって強いというのは、具体的にどういう場合を指すのかをいいますと、


①生扶する(生じる)通変星がある
 →たとえば、月支正財格で年支に食神が出ていたり、月支印綬格で月上(月柱の
  天干)に正官をみているような場合です。


②同一五行の通変星を真上、もしくは斜め上にみる
 →これは、月支食神格が月上にも食神をみたり(これを透干という)月支偏官格
  が年上(年柱の天干)にも偏官をみる場合です(これを透出という)。


③地支三合、または地支方合する
 →月支を交えて寅午戌三合火局をなして偏財局となったり、亥子丑北方合して
  偏印局をなすような場合です。


 これらは、個数のうえでは同一通変星が二個出ていても、二個とはみずに一個で強いとみるわけです。


 「二個ではいけないの?」
という声が聞こえてきそうですが、四柱命式は〝純〟を尊び、〝雑〟をきらうのです。


 たとえ同じ通変星であっても、月支と日支に横並びで出るような場合は、一個で強いとみず、二個とみてエネルギーは強いのは強いのですが、何かちぐはぐな不揃いの強さということになります。

 これを人事事相でみれば、気分が散漫で集中心に欠けるとか、職業の変更があるとみるので、四柱推命看命上、美なりとはしないのです。


 三合や方合は三地支のエネルギーの合体変化とみますので、一個で強固とみます。


 同一通変星が、命式内に数多く出れば出るほど、四柱命式が偏って扁形してきます。
 そのような場合、○○の通変星が太過(たいか)している命式、あるいは○○の通変星が太過太旺(たいかたいおう)している命式といいます。


 いずれにしましても、そのようなある一種の通変星に偏った命式は福分の薄い命式と看命致します。