四柱推命は東洋医学、紫微斗数は西洋医学


 昨日で、十ヶ月にわたって開催してきました、四柱推命/紫微斗数/断易の研究会をとりあえず終了しました。


 月に一回、神戸で開催しましたが遠くからお越し頂いた方もあり、ご参加頂きました皆様には、まことに有り難うございました。


 振り返れば、もっとも長い方は初級の教室から足かけ六年くらい教室に通って頂いた方もおられ、まだまだ未熟なわたくしによく付いて来て下さったと、あらためてお礼を申し上げたいと思います。


 研究会はわたくし自身も良い刺激を与えて頂いて、さらに占術の勉学に精進する意欲を頂戴しました。
 まだ来年の教室開催の計画は白紙ですが、またこうした研究会を開催することが決まりましたら、ご参加の程よろしくお願い致します。



 さて、最近ですが、ふと、思うことは、四柱推命紫微斗数を医学、医術に喩えれば、さしずめ四柱推命東洋医学で、片や紫微斗数は西洋医学のような気がします。


 四柱推命は人間の全体像を把握するのにとても優れた占術であり、八字に秘められた陰陽五行の調和を尊び、あたかも東洋医学の身体全体のバランスを重要視するのに似ているように思います。
 ですから、大運(大限運)の看法は四柱推命のもっとも得意とするところで、四柱推命は原命式の八字と大運の二字の計十字で人間分析をするものだと思います。


 余談ながら、「十」というのは古代神道に伝わる十種の神宝(とくさのかんたから)ではありませんが、まったき数で、縦横、陰陽交わったこの世の仕組みを表す数です。
 四柱命式の八字+大運二字の計十字と何か共通点があるような気がしています。


 それに較べて、紫微斗数は個々の、例えば配偶者のことはどうのこうの、仕事のことはどうのこうのというように特定の項目にスポットライトを当てて吉凶や色合いなどを判定するのに秀でているように思います。したがいまして紫微斗数は西洋医学のような感じです。


 というわけで四柱推命紫微斗数を併用して鑑定するのはとても意義深いことだと思うようになりました。


 それと、紫微斗数は流派によって星の輝度が違います。
 凶星といわれる廉貞や貪狼などが命宮に入る場合、廟旺と落陥ではその働きが雲泥の差なので、流派の違いで輝度が変わると実際の判断では苦慮しますが、そうした場合に四柱命式を併用していれば、この場合はどの流派の輝度がより適切かを見分ける一助になります。


 以前のブログでも紹介しました、鮑黎明先生のご著書「中国命理枢要」にも次のように記されています。


   『八字と斗数を並用して占うのを「星平合参」と言って、現在最も進んだ命理学
   なのです。どうして並用する必要があるのかと言うと、八字は太陽から受ける
   作用に基づいた原理に則って占うため、おおまかな吉凶判断の明快さ、正確さ
   は他占術の追随を許しませんが、その判断をさらに精緻で細微な程度にまで
   求めようとすると、斗数に比肩し得るものではないのです。』


とおっしゃっています。
 

 神の子である人の命運は厳粛にして、真摯に鑑定させて頂くべきもの。
 慎重の上にも慎重さが要求されます。
 そうした意味においても、鮑先生の言われる「星平合参」、つまり四柱推命紫微斗数を併用する意義は大きいと思います。