日干


 日干とは、読んで字のごとく ‘生日干支の天干’ のことをいいます。
 日干とは、本来の自己の精神部分を司るところとか、意識している自分自身とかいわれますが、まわりくどい表現はさておいて、要するに自分自身をみるところであり、とくに精神的な面をみるところです。


 日干は、甲、乙、丙、・・・、壬、癸との十干のいずれかしかありません。
 10個のうちのいずれかということです。
 この陰陽五行の十干のいずれの日の生まれかだけをみて性質性格を云々することがありますが、10人に1人の割合ですから星座占いより大雑把です。


 さて、日干はある程度強くあらねばならないのが四柱推命看命のポイントですが、人間の行動半径が広がるにつれて、その重要性はさらに増しています。


 精神的な強さ、気力、気概、迫力、積極性、外向(外交)性、やる気、などを司るところでありますので、男性でも女性でもある程度の強さは必要です。
 男性はいうに及ばず、女性でも社会進出が当たり前となりましたので、対外的に活躍したいと思う女性は、日干の強さは大切になってきます。
 

 日干の強さは生きる力といいますか、生存力に直接関わってくるように思います。
 倒すか倒されるかの下克上の戦国時代や、あるいは転変地変で生きるのが大変な時代が過去に何度となくありましたが、そういう混乱した時代で泥水をすすっても生きていける強さがあるのは日干の強い人です。


 これからは環境問題、食糧問題等、わたくしたちを取り巻く環境は、さらに厳しいものになり生きにくい時代となりそうです。
 そういう厳しい時代でもなんとか生き抜いていく力強さのある人が日干の強い人といえます。


 ですから、これからは男女を問わず日干の強い人は有利な時代となると思います。


 でも、そうかといって強過ぎるのも問題です。
 日干が強過ぎる人といえば、ひと言でいえば、我の強い人、自分の意思を押し通す人、忍耐心に欠ける人というように、好ましくない面が出やすいので、大なり小なり皆わたくしたちは、組織集団の中で生きていかざるを得ないので、中和中庸か、やや日干が強いのが好ましいといえそうです。


 これまでの四柱推命は、男性の場合の日干の強さは中よりやや強いのが好ましく、女性の場合は中か中よりやや弱いのが吉であるとされていました。
 これは東洋的な美徳とされていた、夫は外に出て働いて一家を養い、妻は家にあって家事育児に専念するというこれまでの一般社会通念による考えですが、現代社会では必ずしもこれにこだわる必要はなくなりつつあります。


 女性で日干が強い人は、過去は生きにくい時代であったと思います。
 日干が強いということは、外向的でエネルギッシュであり、自宅で家事育児に専念するのは苦痛?であり、それだけでは物足りなく思う人が多いからです。
 そうかといって、昔は、いまのように女性が働くことができる職種や職場は限られていましたし、一家の‘奥様’が外で働くことに亭主も世間もどちらかいえば冷ややかな視線を注いでいたと思います。


 時代が進むにつれ、女性の社会進出がなければやっていけない社会となった以上、女性も出産育児という人生の一大事業もありますが、余力のある範囲で社会に出て貢献するというのは大いに意義のあることと思います。


 とくに身旺(日干が強い)の女性は外に出て積極的に活動するのが性分に合っているのですから、理解ある旦那さんと結婚して(既婚のご婦人には申し訳ありませんが)仕事に自分の能力を発揮するのは生き甲斐に繋がるはずです。
 そういう意味で自分の日干の強さはどのくらいか? ということを知っておくのは役に立ちます。


 最近、熟年離婚が増えているようですが、調べたわけではないのであくまで推測ですが、熟年離婚者は身旺の女性が多いのではないかと思っています。


 わたくしを含めて年輩の男性諸氏は、年老いてから男やもめにならないように妻のやりたいことしたいことには、まずは協力的な思考を持つことが大切と思います。


続く