脱サラ


 四柱推命の鑑定に来られる方は、10対2か10対1の割合で男性の方もお見えになります。もちろん少ないほうです。 


 男性の方のご相談内容はほとんどが仕事のことです。
 独立したい・・・、自分で商売、事業をしたいのでどうでしょうか?
 やるとするならその時期と気を付けるべき点について、・・・のご相談が大半です。
 

 仕事については紫微斗数でみるのがよいと昨日のブログで申し上げましたが、脱サラの是非に関しては、四柱推命でみたほうがより的確に分かるかも知れません。

 
 さて、仕事の内容にもよりますが、独立すると営業から製造、販売、経理、総務的な仕事を自分ひとりで何もかもしなければなりません。
 経理などをアウトソーシングするにしても、借入れなどの銀行との折衝などは自分でやる必要があります。


 わたくしもこれまで曲がりなりにも中小企業の役員をさせていただいていますので、率直に申し上げますとこれらの仕事の中でもっとも大事なものは営業と経理ではないかと思います。
 売掛け管理や資金繰り、銀行からの借入れ等、内務的な仕事は地味ではありますが、お金の流れが滞れば売上げはあっても倒産することもあります。


 脱サラしたいという方は、そのほとんどは営業力はお持ちのようです。自分で得意先を開拓する行動力や企画開発力などはご本人でも人並み以上の力はあると思っておられるので、独立して商売や事業を興したいという気持ちが強いのだと思います。


 たまにあるのは優れた技術を開発したので、それで特許でも取って独立してやりたい・・・、というような甘い考えをお持ちの方もおられますが、技術力だけで食べていける世の中ではないというのは少し冷静に考えると分かるはずです。


 つまり何を申し上げたいかといえば、脱サラする人はかなりのオールマイティな能力を要求されるということです。
 どんなに営業力があっても資金が行き詰って倒産した会社はいままで数知れず存在します。
 

 営業力は外向きな力で経理は内向きな力です。
 得意先との折衝や接待などは外向きな力で、部下の管理や育成は内向きな力です。
 仕事もすべて陰と陽です。
 陰と陽の力がそれぞれしっかりしていて、かつバランスがとれていることが大切です。


 脱サラしたいという人は、皆が皆とは申しませんが、だいたいが外向きな力が強くて内向きな力は弱い人が多いといえます。
 その弱い力を補ってくれるようなパートナーがいればよいのですが、そんなに適材適所の人はいるものではありませんし、二人の相性の問題もあって実際には難しいと思います。


 では、四柱推命で具体的にどのようにみるかですが、まず、日干の強さが70以上もある人、また日干の強さと用神の強さの差が30以上も開いている人、そして日干の強さと用神の強さを足して80にも満たない人は脱サラには不向きな人といえそうです。


 最初のタイプの人は、独立自尊の念の強い人で、一見、脱サラ向きの人と思えますが、先ほど申し上げました内向きな力は弱い人です。
 二番目の人は、一言でいえば能力不足の人で、外向きか内向きのどちらかの力に乏しい人です。三番目の人は、まことに失礼なことをいいますが、器の小さい人で典型的なサラリーマンタイプの人です。
 このあたりをご参考にしていただければと思います。


 四柱命式の日干の強さと用神の強さを正確に出すのは、この点においてもとても大切なことがお分かりいただけたと思います。