昔ながらの労務管理


 先日、社労士の先生とお話する機会がありました。
 昨今、社会問題になっているメンタルヘルスのことを少しお聞きするためです。


 仕事になじめなかったり、職場環境にとけ込めなかったり、あるいはストレスと過労が高じて精神疾患になる30代、40代の人が増えています。


 ちょっとした駅前には、○○心療内科という看板を掲げた医院もよく目にするようになりました。


 社会が豊かになり、また少子化で過保護に育った人が、いま、働き盛りの中年を迎えています。
 

 お会いした社労士の先生のお話で興味深かったのは、「昔ながらの労務管理に回帰している企業が増えつつある・・・」ということです。


 欧米の行き過ぎた成果主義や短期的な結果のみを追い求める近視眼的な経営は、元来、日本人のDNAにはそぐわないと言われていました。


 なるほど!
 わたくしも同感です。


 最近では、以前に廃止した社内運動会や慰安旅行などの社内親睦会を復活した会社も増えつつあるようです。


 ある大手企業なども、独身者の社員寮を経費節減で売却したのを、再度設けて、新入社員同士のコミュニケーションを高める場として見直すようなところもあるそうです。


 日本人に限らないと思いますが、飲食をしながらの触れ合いはより親近感が増します。運動会や旅行などは共通の目的ができるのですから、さらにチームワークの向上にも繋がるでしょう。


 人間はひとりでは生きていけません。
 色々な人との関わり合いの中で、皆、成長していきます。
 “合わせる心遣い”が大切です。


 バブル崩壊以降、多くの日本の会社が取り入れたのは、そのような“合わせる心遣い”をさせない、やりにくいような諸制度を取り入れてきました。
 それがここに来て、大きな見直しとなってきたようです。


 “情”のある労務管理を上手く取り入れた企業が、今後はさらに飛躍すること間違いないと思います。