学理の追求


 立春を迎え、四柱推命では暦がやっと壬辰になりました。
 天空では日一日と、春の気配が徐々に色濃くなってくるのでしょうが、地上ではまだまだ凍り付く寒さの毎日です。


 さて、最近は、透派の平岡滴宝先生のご著書、「子平学 四柱推命法深書」と「秘本 子平廣論」を熟読させて頂いています。


 3月からの芦屋・占風鐸での四柱推命研究会の開催もあって、再度、平岡先生のご著書を丁寧に読ませて頂いています。


 著名な透派の先生方のご本を他に5、6冊持っていますが、大変分かりやすくて奥が深いのがこの平岡先生の上記2冊のご本と思います。


 すでに平岡先生はご他界されていますが、生前はわたくしの会社のある大阪市都島区で鑑定や教授をされていたようで、生前にお目に掛かれなかっのが残念です。


 ご著書を通しての勉強となりますが、この手の専門書は後世の斯学愛好家の厳しい評価の対象にさらされますので、著者は執筆当時、最新の注意で最大限に知恵を絞って書かれたものと推察します。


 よく、「秘伝や秘法は本には書かない」と言われますが、本当にそうでしょうか?


 人間誰しもプライドがあり、世間の自分に対する評価を気にするのが人間です。まして本を世に出すような方は、普通の人よりも自己顕示欲が強いと思います。
 少しでもより優れたものを、いままで以上の良書を世に出したい・・・と思うのが作者ではないでしょうか。


 わたくしは、本にこそ、その著者の考え方や理論理屈、少し大袈裟に言えば人格まで一字一句に込められていると思っています。


 ですから、この手の座学は、まったくの初心者は別として、ご本で勉強するのが得るところ大であるようにわたくしは思っています。


 日本では四柱推命の流派によって、いろいろと異なった命式分析をされています。
 多くの四柱推命愛好家の迷われるところです。
 過去のわたくしもそのひとりでした。
 このままでは良くないと思っていますが、長い目で見ますと、自然淘汰の理で人の役に立たないものは淘汰されていくでしょう。


 ここは宗教と同じで一宗一派に偏らない寛大な心で、どこの考え方や理論、さらに看命方法が優れているかを比較検証しながら学ばれるのが大切ではないでしょうか。


 師を敬うのは礼儀ではありますが、四柱推命をひとつの学問としてとらえるならば、学理の追求こそもっとも尊ぶべきことと思います。