恩師・亀石突風先生が永眠されました。


 わたくしの四柱推命学の恩師であり大乗推命学会の創設者である亀石突風先生が、去る12月8日に逝去されました。


 わたくしは、丁度、9日の四国お遍路からの帰途、車中で訃報をお聞きしました。


 亡くなる直前まで、お遍路に行くわたくしのことや病気療養中の小生の娘のことを心配して頂き、入院されている病院から携帯電話で度々お電話を頂いておりました。
 

 ご自身のことよりわたくしたちのことを心配して頂いて、本当に恐縮していました。お遍路から帰ってきたら、そのご報告を兼ねてお見舞いに参上しようと思っていた矢先のことでしたので、非常に残念でなりません。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


          
           1999/11 国連大学本部 
           外交官会議の基調講演時撮影


 さて、亀石突風先生は昭和4年のお生まれですから、今年満82歳でした。元々は家業の呉服商の仕事を手広くされていたましたが、45歳くらいのときにすべての事業を清算され、あらたに大乗推命学会を設立。以後、四柱推命学の指導普及、鑑定、また「四柱推命学事典」や「四柱推命学活用大辞典」等、数多くの著作を執筆されました。


 わたくしと先生との出会いは、昭和51年か52年だったと思いますので、三十数年のお付き合いです。


 四柱推命の初級、中級、師範課程と計三年間、大学生のときにご指導頂きましたが、多いときは授業の半分くらいが、中国古典に登場する古聖前賢の格言、名言などを引き合いに出されてのご説明でした。


 先生は、よく申されていました。
 『世の中のほとんどの人は、四柱推命でいうところの「貧命」である。自分はたいしたことのない人間であることを知ることができるのが四柱推命だ。周囲の人様のお陰でいまの自分がある。「おおきに、すんまへんなぁ」という謙虚な心が大切だ・・・』


 晩年は、「正しい生き方がわかる本」や「日本人の品格を保つ方法」などの思想的、教育的なご本の出版に力を注がれていました。


 いまでもよく覚えていますのは、鑑定相談に来られた方には、まずは、「大丈夫! 心配いらんがなぁ!」という安心させてあげることが大切だと教えて頂いたことです。


 深刻な問題であればある程、鑑定にお見えになった方にはこのようなポジティブな一言が何よりの薬になるのでしょう。


 また、教室兼鑑定所の先生が使われていた机の引き出しには、常に10万円が入った封筒がありました。明日の生活に困るような方が相談に来られたときに、すぐに渡せるように用意されていたものです。


 「飢えた人には、有り難い説法より、一切れのパンを与えよ」と何かの本に書いてありました。本当の人助けは、その通りだと思います。
 亀石先生は身をもってそれを実践されていました。


 息を引き取られる直前に、お風呂に入り、髭も剃られ、眠るが如くに永眠されたとお聞きしました。その数日前は、何も思い残すことはないと近しい方に言っておられたということです。安らかな旅立ちは何よりです。


 恩師、亀石突風先生に謹んでこれまでのご指導に厚くお礼を申し上げます。
 有り難うございました。深謝