器(うつわ)と遷移宮の関係


 わたくしは大阪生まれで、現在神戸在住
 幼い頃より阪神タイガースのファンで、小学生の頃は、村山、江夏、田渕という名選手がいて、力のこもった応援をしていたものです。


 ただ、最近は忙しくなったので、好きな野球もあまり見れなくなったのが残念ですが、阪神の試合結果はTVや新聞で必ず確認しています。


 先日、その懐かしい田渕幸一氏の講演禄を読んで、感ずるところありましたので、その田渕氏のお話をまず引用し少しコメントさせて頂きたいと思います。


 『私は阪神では後藤監督、村山監督、金田監督、吉田監督、西武では
 根本監督、広岡監督に仕えてきたが、チームを優勝に導く監督の特徴
 は「カリスマ性」だと思う。私はダイエーの監督を3年間務めたが、星野、
 山本浩二ジャンボ尾崎とゴルフをしたとき、ジャンボに「お前は監督
 の器ではない」と言われた。そのときは腹が立ったが、「器」とは「限界」
 のことではなく、自分の能力を発揮できるポジションのことだと考える
 ようになった・・・』(以上、田渕幸一氏談)



 そもそも人間の器、器量とは何でしょうか?
 デジタル大辞泉で、「器量」という言葉の意味を調べてみますと、「ある事をするのにふさわしい能力や人徳。」「その人の才徳に対して世間が与える評価。面目。」とあります。


 どうも人間の器という場合は、才能、能力だけでなく人徳という高い人間性が必要なようです。
 カリスマ性というのは、わたくしの個人的見解ですが、才能とある種の人徳も兼ね備えた性質のように思います。


 そして才能の才は、多分に自らの努力で身に付けるもの獲得するものですが、徳というのは、たとえばご奉仕や無償の慈善活動などを通して、結果ご褒美として天から与えられるものだと思います。公の精神や利他の心がまったく無い人は、人間としての器は小さいように言われるのもそのためだと思います。


 器を大きくするように努力したり、修行したりするのは良いことと思います。
 今世、生まれてきた大きな目的のひとつが、この器を少しでも大きくすることだと思っています。
 しかしながら、これは一朝一夕には行かないものですし、生涯かけて努力すべきこと。

 
 日々の生活を営む上では、田渕氏の言われるように「ポジション」、すなわち自分の器の発揮場所がとても大切になってきます。
 どなた様であっても自分の存在感が実感できるところ、周囲に認めて頂けるところが必要なように思います。つまり、個であるその人が輝けるところです。


 これを手に入れた人は、だいたい幸福な人です。
 経済的な豊かさはいまひとつであっても、生き生きとした日々を送ることができるのですから健康上もいいですしね。
 

 企業でも適材適所、人事が上手く回っているときは会社の業績も概ね好調です。
 「企業は人なり」と言われる所以です。
 


 さて、佐藤六流先生の「これで身につく紫薇推命」(香草社)の本を拝読していますと、遷移宮はいまの時代、移動の良し悪しや海外転勤の良否などを見るところではなく、命宮の素質、才能が世の中に適切に発揮されるかどうか、社会に受け入れられるかどうかを見るところであるというような内容のことが記されていました。
 

 因みに、この佐藤先生の書籍「これで身につく紫薇推命」は、紫微斗数を独学で学ばれる方にはとても良い本と思います。理由は、総合的な見方が書いてあるからです。三方四正に入る主星の幾通りかのパターンごとに、星の輝度(廟旺失陥)で吉凶をズバリ断じておられます。


 他の多くの紫微斗数の本は、専ら命宮なら命宮、官禄宮なら官禄宮ごとにそれぞれの主星が入ったときの解説が中心で、他の三方四正の宮との総合的、複眼的な解説に至っていないからです。

 
 わたくしはこれを読んで大いに共感を覚えました。
 紫微斗数は三方四正、すなわち命宮、官禄宮、財帛宮、そして遷移宮をとても重要視しますが、三合宮の命宮、官禄宮、財帛宮が良くても、遷移宮の良くない人はどうも社会的な評価や評判はあまり芳しくないように思ったりするのですが、わたくしも数多くの紫微命盤を見て検証したわけではありませんので、今後の研究課題のひとつにしているところです。


 反対に遷移宮の良い人は、このポジションを得やすい人、社会的な幸福な得やすい人と申せばちょっと言い過ぎでしょうか?
 推命大運の中晩年の長きにわたり、ずっと懐才不遇のわたくしですが、あにはからんや紫微命盤でもっとも良いのがこの遷移宮(旺の主星に化禄、禄存が付きます)・・・なのです。
 風州は自分に甘い、ポジティブ過ぎるとお叱りの声(?)が聞こえて来そうですのできょうはこのあたりで終わりたいと思います。



【お知らせ】
 10月より断易(五行易)の入門講座を神戸三宮近くで開催予定です。
 初歩の内容を六回くらいで終える予定です。
 第二土曜の午後、受講費5,000円(教材費実費)です。
 現在、紫微斗数の入門講座を受講されている方が、ほぼ皆様引き続き
 この断易の講座を受けられる予定ですので、若干名の募集です。
 参加ご希望の方、またお問い合せはメールでご連絡下さい。
 ●田中風州宛メール → webmaster@e-suimei.com