断易の魅力

 

 今年も師走となり、あと半月ほどで新しい年を迎えます。


 今年を振り返りますと、干支は己丑で、辛日生まれのわたくしには凶運の年となります。


 通変星では偏印の倒食運で、まさに身内親戚の世話厄介ごとなどで苦労苦心の多い年となりました。


 しかし偏印は、九流術業の代名詞でもありますので、断易(五行易)という素晴らしい占術との出会いがありました。


 このあたりは、紫微斗数ではわたくしの太歳命宮が福徳宮にあたりますので、「なるほど」ひとり頷いております。


 凶運の年といえども、悪いことばかりではないことを身をもって実感しました。


 さて、今年、出会った断易ですが、すっかりその魅力に浸っています。


 まだ、一年そこそこしか勉強していませんので大言壮語は禁物ですが、少なくとも財運や仕事運の吉凶盛衰などの簡単な易占は、わたくしでもだいたい分かるようになりましたので、来年一年の財運と仕事運をそれぞれみてみました。


 まぁ−、ある程度、結果は予想していたとはいえ、こうもはっきりと易占に表れるとは驚くばかりです。


 断易の名著である九鬼先生の「断易精蘊」の中につぎのような記述があります。


 「我易占の感通する妙理は、事に方りて疑惑あり、之を裁決し難きとき、至誠を尽し専念以てその一事を神明に祈願し、占卜に依りて卦を求むれば、必ず宇宙秘妙の機により六爻にその反映を現はすに至るなり。」


 わたくしもこれを信じ、自身のことを易占する場合には、必ず、術事の神名「名無一神多之命」様を三回唱えて、神様にご指導を仰ぐことを祈願してサイコロを振ります。


 本当に九鬼先生のおっしゃっていたことは真実誠のことであると体感しています。
 断易は神様が人間に与えた、類い希なる予知術のひとつではないかと思っています。


 四柱推命紫微斗数でも予知はできますが、とても断易には及びません。
 その最大の理由は、易は分占ができるからです。


 さて、来年は、庚寅の年。
 四柱推命ではわたくしは劫財運にあたります。


 辛日生まれで日干はやや強いほうですから、劫財運の年は忌む神運となり、財運や配偶者運には注意を要する年といえます。


 同じように断易で得た卦も、財爻が動き化爻から冲剋されるに至っては、やはり財運よろしからずということですが、断易ではとくに来年のいつ頃気を付けたらいいのか、またすべてとはいえませんが、六爻の中に打つべき対策といいますか、努力の方向性を示してくれることがありますので、大難が小難に小難が無難になるばかりでなく、新しい道を切り開いていくことも不可能ではないと思っています。


 最後に断易は、切れ味鋭い刀のように、一面、怖い占術でもあります。


 このあたりは同じ干支の生剋化合と空亡でみていく四柱推命とよく似ていますが、断易のほうがより吉凶がはっきり表れますので、用いるにあたってより心しなければと思います。


 ただ単に、自身の損得のみで断易を用いれば、神罰があたることも覚悟しなければならないと思います。