「慎みて怠ることなかれ」・・・古語拾遺(コゴシュウイ)より
『「いま、自分が為すべきことは何か」、「自分はいま、どうあるべきか」と真剣に
考えるとき、日本人は自然に神前にぬかづき、神様に祈りました。
いまからおよそ1900年前、12代景行天皇の時代、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)
が東征の途中、伊勢神宮に詣でて神宮御奉仕の倭姫命(ヤマトヒメノミコト) に
お暇乞いをされましたが、そのとき、尊の叔母である倭姫命は天叢雲剣(アメノ
ムラクモノツルギ)(後の草薙剣)を授けられ、この言葉「慎みて怠ることなかれ」
をはなむけにされたということです。
「物事を謙虚に受け止めて奢らず、身を慎めば心が清らかになり、自分の為すべき
ことが見えて来る。そのときは勇気をもって誠実に、怠ることなく精進を重ねて為す
べきことをやり遂げなさい。」・・・。
東国平定の重任に付き、身の危険を顧みず遠方に旅立つ甥を励ます、簡潔にして
心のこもった、味わい深い言葉です。』
以上、平成4年の12月にマイレポート(弊社出勤簿)に載せた文章です。
日本武尊や倭姫命のことは、書籍「ふしぎな記録」にいろいろと書かれていますので、是非、ご一読されることをお奨め致します。
どちらの御方も、日本国のために身を賭してご尽力された方です。
わたくしはこの「慎みて怠ることなかれ」は、大好きな言葉のひとつです。
座右の銘にしたいところですが、まだまだ欲の皮が厚いせいか、慎むことには残念ながら落第生です。
いままでの資本主義経済に生きてきた人々は、多かれ少なかれ、慎むことには抵抗を覚えることが少なくなかったのでは思います。
来年、明確には再来年くらいから、日本も大変革の時代となりそうです。
生き方そのものの転換をせまられる時代が来そうな気がします。
すでに以前より、物質的な豊かさを求める時代から精神的な豊かさを求める時代へと変わっていると言われていますが、ここ数年でそれが顕著になりそうです。
拝金主義や物質的豊かさのみ求める人や国家は、滅びる運命が迫っているように思います。
自然淘汰の理は、人間にも国家にも厳然として当てはまります。
わたくしも自戒しなければと思うきょうこの頃です。